第7夜 要注意!夏の肺炎

荏原ホームケアクリニック 川口です。

例年より早い梅雨明けで、暑い夏がやってきました。
台風が接近している影響からはっきりしないお天気も続き、
毎日ジメジメ・・ 毎晩寝苦しい夜がやってきます。
こういった時期に、体調を崩される患者さんも多く
我々にとっては大忙しな季節となります。

節電を謳われる日本列島、東北のみなさんのためにも
日々クリニックや自宅の節電を意識している毎日ですが
訪問診療という性質上、ご高齢の患者様が多く
過度な節電が命を奪う危険性が伴うことも否定は出来ません。
そのため、気温の上昇に伴う患者さんの脱水状態を未然に防ぐため、
冷房、除湿器などを使って部屋を涼しくするようにうるさく指導していますが
実はその冷房、除湿器が原因の元となる
見落としてはならない病気があることをご存知でしょうか?

夏になると息苦しさや、咳が出て、風邪のようだけれど、なかなか治らない
といった症状をきたす
今回は、“夏型過敏性肺炎” という病気のお話です。

Q 過敏性肺炎て何?

  • カビや細菌などを含んだ粉塵やほこり、化学物質を多く含んだ
    防虫剤、防虫スプレーなどを吸い込んでいるうちに、
    アレルギー反応を起こして発病する肺炎の事です。

“アレルギー反応によるもの”という事がポイントです。
本来、肺炎というものは細菌、ウイルス、真菌などといった
外敵の感染によって引き起こされるのですがこの病気は発症の原因が異なるのです。

Q どんな症状が出るの?

  • 上のポイントで述べたような原因となる物質を吸い込んでから
    4~6時間後に咳や痰、発熱などの軽い風邪のような症状で始まります。
    “単なる風邪”と思って放置していると症状は進行し、
    重症になると息切れ、呼吸困難が出現します。

Q 夏風邪と見分けはつくの?

  • 確かに見分けをつけるのは難しいです。
    中には気管支喘息と診断される事もあります。

    では夏風邪と見分けるには一体どうしたらよいのでしょうか?
    見分け方のポイントは以下の3点です。

  1. 夏だけ咳がよく出る。夏になると同じ症状を繰り返す。
  2. 夏風邪の症状がなかなか良くならない。
    でも旅行で自宅を離れると何故か体調が良くなる。
  3. 長時間、家にいると咳が酷くなる。

思い当たる状況がある方は、早めに医師に相談をして下さい。

Q 何故「夏型」と呼ばれているの?

  • 日本では梅雨以降の高温多湿の季節に発生することが多いという理由から
    「夏型」と呼ばれています。

皆さん、自分の家のエアコンや浴室、台所などの水気の多い場所を
注意深く見てみましょう。

真黒くなっていたりしませんか?

カビはエアコン、浴室や脱衣所、台所の流し台、カーペットや
寝具などで繁殖します。
また、日当たりや風通しの良くない古い木造住宅の畳などでも繁殖します。

このような状況から考えると、ジメジメした梅雨から夏にかけて
カビが多く繁殖するという事が想像出来るのではないでしょうか?

Q どうやって対処すればいいの?

  • まず何より、この病気の可能性に気付かなければなりません。
    軽度の症状であれば原因となる環境から離れることが大切です。
    症状が重い時はステロイド薬で治療を行わなければならないことがあります。

Q 予防する方法はありますか?

  • 簡単にカビが繁殖しないようにすることが大切なので
    こまめな掃除が必要です。
    とにかく黒くなっている場所を見つけたら掃除をしましょう。
    掃除をする方は、吸いこまないようにマスクを厳重に装着して下さい。

    エアコン、除湿器などを使用する事は大切なことです。
    ですが、脱水防止の為にエアコンを使用しても
    逆に具合が悪くなったのでは困ってしまいますね。

    スイッチを入れる前、エアコンのフィルターなどに、
    カビが生えていないか確認をして見て下さい。
    外からは見えない部分にカビが繁殖していたり
    ほこりが溜まっている事もありますので1ヶ月に1回、
    梅雨が来る前に、など自分なりのルールを決めて
    徹底的に掃除をする日を作るのも予防という観点から良いかもしれません。

「カビを吸い込んだら体に悪いよ!」
「ほこりを吸いこんだら体に悪いよ!」
という言葉は子供の頃から、よく耳にしますが
何故体に悪いのかは意外と知らなかったのではないでしょうか?

しっかり対策をして、猛暑を元気に乗り切りましょう!
水分、塩分補給も忘れずに!

さて、次回は「足のむくみ」を予定しています。
是非、楽しみにしていて下さいネ!